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海外留学Q&A(FAQ)大学生活編
日頃は学業に専念し、休暇は思いきり楽しむのがアメリカの大学生活です。ここでは成績評価や授業の様子などのアカデミック面とキャンパスライフといった、入学後についての事項を紹介します。
Q:1年間のスケジュールを教えてください。
A:アメリカの大学の多くはセメスター制(2学期制)とクオーター制(4学期制)を採用しています。
アメリカの大学では新年度は9月とされますが、毎学期入学が可能であることが多く非常に柔軟です。日本のように新入生が一堂に集う入学式はなく、各クラスでオリエンテーションが行われます。
Q:卒業に必要な単位数とは?
A:学部や専攻によって違いますが、4年制大学卒業には120~150単位が必要です。
単位制を採用するアメリカの大学は、4年制大学でも4年間大学に在籍する必要はありません。学校が定めた単位を履修した時点で卒業(=学位取得)となるため、一学期に取るクラスを増やしたり夏学期を履修することで、4年かけずに卒業する人もいます。留学生はビザの関係で、一学期で最低12単位(3科目)を履修する義務があり、4~5科目を取るのが一般的なようです。また、落第点の科目があると卒業が厳しくなるので、成績の悪い科目は再履修する必要があります(成績評価についてはこちらをご参照ください)。
Q:大学での試験について教えてください。
A:中間、期末に試験があるのは日本と同じ。論文や小テストも成績評価の対象です。
日本同様、学期ごとにMid Term(中間試験)とFinal Exam(期末試験)が実施されます。セメスター制かクオーター制かで、あるいは科目によって違いはありますが、年に4~6回はこうしたテストがあると思っていいでしょう。記述式テストのほか、語学クラスならスピーチや先生とインタビューしたり、実技テストを行うクラスもあります。また、授業の最中にQuizと呼ばれる小テストが行われることもあります。試験では留学生には辞書の使用を許可してくれる教授もいます。
Q:成績評価と進級について教えてください。
A:GPAがよければ、難関校への編入も狙える。アメリカの大学生にとって非常に大切です。
アメリカの大学での成績評価は「A/B/C/D/F」のGradeにさらに「+/-」をつけて12段階に細分化されます(例外あり)。DやFでは単位が取得できず再履修の必要があります。GradeはGrade Pointと呼ばれる数値に換算され、全科目の成績評価平均値をGPA(Grade Point Average)と呼びます。2年制大学でGPAを上げれば、難関校への編入も可能です。ちなみに成績評価の比重は以下の通り。日本と比べ出席率や授業への参加が重視されます。
大学の成績評価の割合
- 中間と期末テスト:50~60%
- 小テスト:5~15%
- 論文:15~25%
- 課題:10~15%
- 発言や授業態度:10~15%
- 出席率:5~10%
Grade Point換算の一例
Grade | Grade Point | 成績 |
---|---|---|
A+(ない大学が多い) | 4.0 | 93%以上 |
A | 4.0 | 90%以上 |
A- | 3.7 | 87%以上 |
B+ | 3.3 | 83%以上 |
B | 3.0 | 80%以上 |
B- | 2.7 | 77%以上 |
C+ | 2.3 | 73%以上 |
C | 2.0 | 70%以上 |
C- | 1.7 | 67%以上 |
これ以上がPass(及第)の基準=単位取得 | ||
D+ | 1.3 | 63%以上 |
D | 1.0 | 60%以上 |
D- | 0.7 | 57%以上 |
F | 0.0 | 57%未満 |
※Grade Pointや成績の換算は各校によって差があります。
Q:授業の進め方やクラスの様子は?
A:自主性&積極性が買われる参加型授業、実践重視のカリキュラムが特徴です。
クラスの初日にはSyllabusと呼ばれる授業進行表が渡されます。授業や試験の進行スケジュール、講義や課題の概要、教材などが記されており、学期中どれだけの勉強が必要か予測できます。教室では多くの時間がディスカッションに費やされ、教授や学生同士が活発に意見が交換されます。また、専門課程では基礎知識を土台とした専門的な授業や実習が増えます。ホテル学では大学経営のホテルやレストランで働いたり、映画学ではチームを組んで映画を撮ったり、スポーツトレーナー養成クラスでは運動選手のケアを担当したり。本物の現場を想定した実習はやりごたえ充分です。
Q:宿題や課題は?
A:課題の量がかなり多いアメリカの大学。毎日の予習も欠かせません。
Paper(小論文)提出は学期中に2、3回は課せられます。読書感想文のようなシンプルなものから、大掛かりなリサーチや調査が必要なグループプロジェクトまで様々です。英語にハンディのある日本人留学生も、学内の補習クラスで添削してもらったり、クラスメイトと協力し合って乗り越えていきます。最近はどのクラスでもメールやウェブサイト、基礎的なソフトを使う課題が多いため、コンピュータスキルはかなり鍛えられるでしょう。また、授業への積極性は評価に反映されるため、教授に意見を求められても受け答えできるよう、教科書を読み予習を済ませてから授業にのぞむのが当然とされています。
Q:アメリカの大学生、週末はどう過ごす?
A:学期末など、試験シーズンは勉強に集中。それ以外は趣味や友達との交流を、思いきり楽しみます。
中間や期末の時期などテストシーズンは、週末でも勉強にあてる学生がほとんどです。それ以外の週末は、平日勉強で忙しい学生たちも思いきりオフを楽しみます。友人と買い物やドライブを楽しむ、サークルやクラブ活動に専念するなど人それぞれ。アメリカではボランティア活動が非常に盛んなので、英語の勉強を兼ねて参加する留学生も数多くいます。また、国土の広いアメリカには雄大な自然や大都会など見どころが多いので、旅行も大きな楽しみのひとつです。テスト明けの長い連休では、寮のルームメイトのアメリカ人と一緒に実家に行ったり、教授にディナーに招待されたりする人もいるようです。
Q:長期の休みはいつですか?
A:6~8月は多くの学生が夏休みに。祝日に応じた休暇もあります。
セメスター制の大学にはサマーセッション(夏学期)と呼ばれる6~8月の間、多くの学生は2ヵ月半~3ヵ月もの長い休みに入ります。里帰りや旅行を楽しむほか、インターンシップに励む人もいます。しかし多くの大学では完全に大学が閉まるわけではなく、ほかの学期に比べて数は限られるものの授業は行われます。早く単位を取得して卒業したい人や遅れを取り戻したい人は、この間にクラスを取ることができます。一方、クオーター制の大学は各学期の間に2週間前後の休みがあるのみですが、3学期分だけ授業を取ればいいので1クオーター分の3ヵ月は休暇に当てられます。
Q:大学にサークルやクラブ活動はありますか?
A:日本同様、様々なサークルやクラブ活動があります。知り合いを増やすチャンスなので積極的に参加を。
スポーツや文化系サークルなど種類は様々。国籍別に結成されたサークルも多く、大規模な日系・日本人学生会を持つ大学もあります。チアリーディングの一員となりスポーツ大会で応援したり、映画を制作してコンペに出場したりと、趣味を共有することでアメリカ人や各国の学生たちと交友を広げる絶好の機会です。ほとんどのサークルは在学生であれば自由に参加できるので、チャレンジしてみても面白いでしょう。とはいえ、学生の本分は学業とする考えが浸透しているため、日本の大学のようにサークルが学生生活の中心になることはありません。勉強と上手にバランスを取りながら楽しむのがアメリカ流といえます。
Q:アルバイトはできますか?
A:働き場所は限定され、収入はおこづかい程度です。実際に留学すると、バイトの余裕はないのが現状です。
基本的にアメリカでは学生ビザ保持者の就労を禁じていますが、大学に留学する人は学業に支障がない範囲での賃金労働が認められます(ESL/英語研修講座の参加者は対象外)。働ける時間は週20時間以内で、場所も申請などをしない限りはキャンパス内に限られます。多くの場合はカフェテリアや大学生協、学生寮のスチューデントアドバイザー、芝刈りなどになります。アメリカ人の何倍も勉強が必要な留学生は、アルバイトをする暇もないほど忙しいのが現状です。時給も$5~7程度なので学費や生活費をまかなうのは厳しいでしょう。アルバイト収入はあてにせず、出発前に資金をしっかりと確保する必要があります。