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4つの地域と主な都市

イギリスはイングランド、ウェールズ、スコットランド(この3つの地域を合わせたものがグレートブリテン)、北アイルランドの4つの国から成り立っています。
それぞれの国・地域において、特有の土地、文化、民族の特徴があります。

イギリスの地図

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イングランド England

イングランドの国旗

イングランドの名はフランス語で「Angleterre」(Angle(アングル人)+terre(土地))と呼ばれ、「アングル人の土地」という意味になります。かつてグレートブリテン島にはケルト人が住んでいましたが、5世紀にドイツ北部のゲルマン系のアングロ・サクソン人が侵入して土地を統治するようなったことに由来します。

イングランドはグレートブリテン島の約65%の大陸を占め、西にはウェールズ、北にはスコットランドと隣り合っています。人口は約5562万人で、イギリスの85%近くもの人々がイングランドで暮らしています。

イギリスの政治・経済の中心の首都ロンドンの他、マンチェスターやバーミンガムなどの主要都市があり、鉄鉱石や石炭に恵まれて工業が盛んです。

ロンドン

ロンドン

イングランド南東部テムズ川下流両岸に広がる河港都市ロンドンはイギリス(グレートブリテンおよび北アイルランド連合王国)の首都であり、世界的な貿易・金融の中心として芸術、商業、教育、ファッション、金融、観光、交通など広範囲にわたる分野において発展。ニューヨークと並ぶ世界をリードする金融センターでもあります。

観光地は、バッキンガム宮殿、ウェストミンスター寺院、ロンドン塔、大英博物館、映画『ハリーポッター』に登場したスポットキングス・クロス駅などがあります。

バーミンガム

バーミンガム

首都ロンドンに次ぐ第2の大都市。ロンドンから北西へ約 177kmの場所にある、トレント川、セバーン川、エーボン川の谷に取り巻かれたバーミンガム丘陵上に位置。ミッドランズ炭田地帯で近隣には鉄鉱山もあり、自動車、金属、機械などの工業が発達しています。蒸気機関を発明したジェームズ・ワットもこの土地で活躍しました。

リヴァプール

リヴァプール

イングランド北西部マージー川エスチュアリー(三角江)の湾口に位置する、ロンドンに次ぐイギリス第2の貿易港。18世紀以降西インド諸島などとの奴隷貿易で急速に発展し、現在でも肉類・穀物・木材などの輸入、機械類・繊維製品などの輸出が盛んです。世界的ロックバンドであるビートルズの出身地としても有名で、世界中からファンが集まります。

ブリストル

ブリストル

イングランド南西部、ブリストル海峡に注ぐエーボン川下流にある河港都市。商業、交通、貿易の中心地として17世紀にアイルランド、アメリカ大陸との奴隷、砂糖、タバコなどの貿易で発展。伝統的な造船業はじめ、皮革・食品工業が盛んです。

マンチェスター

マンチェスター

ロンドンから北西へ約 270kmに行ったアーウェル川、メドロック川、アーク川などの合流点に位置する商工業都市。17世紀頃から綿織物の生産が盛んとなり、産業革命後は綿工業の中心地として「綿の首都」と呼ばれて発展。現在では機械・化学・金属工業などが盛んです。

大規模な科学産業博物館、交通博物館、図書館の他、マンチェスター市立美術館など多くの美術館があり、多くの観光客が集まります。

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ウェールズ Wales

ウェールズの国旗

かつてはケルト人の国がありましたが、1284年イングランドに併合されました。ウェールズの名は、「外国人=ケルト系民族」の意の古英語ウェラスに由来します。

人口は約312万人。首都はカーディフ。カーディフを中心とする半径60キロメートルの円の中には、ニューポート、スウォンジー、ロンダなどの主要都市が含まれ、ウェールズの人口の4分の3が集中しています。良質の無煙炭を産する南部はウェールズ最大の工業地帯となり、石炭輸出量で世界第1位になったこともあります。

公用語は英語とウェールズ語で、住民の30%以上が英語の他にウェールズ語を話すことができます。

カーディフ

カーディフ

ロンドンから西へ約 240km、ウェールズの南部のブリストル海峡に注ぐタフ川の河口に位置する港湾都市。ウェールズの首都で、かつ最大の都市。中世の城を中核に市街が発達し、19世紀には石炭積出港として急速に発展。現在では造船、製鉄、機械、食品加工などの工業が発達しています。

ウェールズ国立博物館、ウェールズ国立戦争記念館などの著名な近代建築があり、ウェールズ大学本部をはじめとする教育・文化施設も多くあります。

ニューポート

ニューポート

首都カーディフから北東へ約20km、セバーン川の河口に臨む港湾都市。19世紀後半から南ウェールズ炭田東部地区の石炭積出港として発展。現在は製鉄、航空機、アルミニウム、造船などの工業が活発です。また、ニューポートは1839年にチャーティスト運動の蜂起(ほうき)があった場所でもあります。

スウォンジー

スウォンジー

ウェールズ南部のブリストル海峡に臨み、カーディフに次ぐウェールズ第2の港湾都市。
18世紀から20世紀初めまで、内陸の炭田で産出する無煙炭の積出港として繁栄。第2次世界大戦後は石油化学、鉄鋼、造船などの重工業が発展。自然豊かな景勝地としても有名です。

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スコットランド Scotland

スコットランドの国旗

かつてローマ時代にはケルト系のピクト人が住んでおり、ケルト語で『森林』を意味する『カレドニア(Caledonia)』と呼ばれていました。しかし、アイルランドからやって来たスコット人の移住にともない、11世紀に『スコシア(Scotia)』の名称に変わりました。それが現在の地名の由来となっています。

本島と別に790以上の島々から構成。氷食地形が発達しているため、氷河湖が多く、西岸にはフィヨルド海岸が多くみられます。スコットランド北部には、ネッシーが出現することで有名なネス湖があります。

人口は約542万人。首都はエディンバラで、経済的中心グラスゴーに次ぐ第2の都市。ヨーロッパ最大の金融センターの一つであり、最大の都市グラスゴーには、スコットランドの人口40%が集中。ウェールズと同様にケルト系の人々が多く住んでいます。

公用語に英語とスコットランド・ゲール語(ケルト系言語)が指定されている他、スコットランド語(ゲルマン系言語)も話されています。

エディンバラ

エディンバラ

スコットランド南東部に位置し、スコットランドの首都でグラスゴーに次ぐ第2の都市。火山の溶岩の上に形成された街であり地盤が強固。7世紀にケルト人の建設した古い都市で、新旧両市街に分かれており、旧市街にはエディンバラ城があります。

15世紀にスコットランドの首都として認められ、当時は議会も開催されていました。しかし1707年のイングランドとの合同により議会は廃止。その後、新市街が建設されました。その旧市街と新市街の美しい町並みは、現在ユネスコの世界遺産に登録され、「北のアテネ」とうたわれています。学術都市として出版業が盛んで、イギリスにおいてロンドンに次いで観光客が多い町でもあります。

グラスゴー

グラスゴー

スコットランド最大の都市で、経済の中心地。スコットランド中西部に位置し、大西洋に注ぐクライド川の下流部に臨む港湾都市。クライド川の沿岸には埠頭や造船所、船舶関係の機械工場などが連なっています。

1775年にアメリカ独立戦争によりたばこ交易が中止された当時、市の経済は大きな打撃を受けましたが、産業革命の進展とともに石炭採掘や鋳鉄、化学などの工業が盛んになりました。19世紀以降は造船業が発展。1451年創立のグラスゴー大学をはじめとする多数の高等教育機関や図書館、博物館、美術館などが集まっています。

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北アイルランド Northern Ireland

北アイルランド国旗

アイルランド全土は32州で構成されていますが、そのうちの6州が「北アイルランド」とされ、アイルランド共和国成立後もイギリスに属しています。17世紀以降イングランドやスコットランドによる植民地化が行われ、スコットランド系移民の子孫が多くいます。また、カトリック教徒の多いアイルランドですが、この地域はプロテスタント教徒の割合が高くなっています。

北アイルランドの人口は約187万人。首都はベルファスト。経済はイギリス本土と密接に関連しており、農業国である南アイルランドとは対照的に、ベルファストを中心に麻織物・機械・造船工業が集中し工業が発達。首都には北アイルランド人口の約4分の1の人々が暮らしています。

イングランド、ウェールズ、スコットランドでは独自の国旗がありますが、北アイルランドにおいては1973年に北アイルランド議会が廃止されて以来、政府が認定した独自の国旗を有していません。

ベルファスト

ベルファスト

アイルランド島北東部のノース海峡に臨む港湾都市で、北アイルランドの首都。亜麻工業や造船業に特色を持つ工業都市で、ベルファスト城、博物館、政府庁舎、1845年創立のクイーンズ大学など、歴史的旧跡が多く現存しています。

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